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北GMが語る 米須玲音の「現在地点」

先日、天皇杯3次R 千葉ジェッツ戦の開始前に、特別指定選手としての加入が発表され日本バスケ界におけるホットニュースとなった米須玲音選手。1月7日(木)に初めてチームに合流してから、約3週間が経過しました。

天皇杯での初のプロクラブでのベンチ入りから眼前でのチームの勝利、初めてのアウェーゲーム帯同と練習に留まらない濃密な体験をしている米須選手の「現在地点」そして「未来」をどう考えているのか、北卓也ゼネラルマネージャーに話を聞きました。
(取材日:2021年1月26日)

篠山、藤井、青木のプレーを見て学んでいる最中

ー 米須選手の加入発表会見は大きな注目を集めましたが、すでにチームに帯同しいろいろな経験を積んでいるものと思います。現在の彼の様子はについて、どのように感じていらっしゃいますか?

まず練習への取り組み方を見ていて、またコーチ陣とも話していて彼の「賢さ」を再確認できています。東山高校のスタイルとして、他の選手がゴールに向けて走っていって、そこに米須が鋭いパスを出して得点するという形が非常に多かったですが、川崎ではまた違うスタイルになるので、順応が必要です。そのために練習でもいろいろな指示が飛んでいますが、ひとつひとつに的確かつ素早く対応できている印象で、コーチたちもその点は評価していますね。あとは、やはり川崎には篠山、藤井、青木というガード陣がいますから、彼らのプレーを見て学んでいっている最中かなと思います。

ー 別の取材でも米須選手は「ディフェンスが苦手」といった発言もしていましたが

その点は少し心配していましたが、川崎はとにかく強度の高いディフェンスを大切にしているチームですから、練習でそのあたりを経験しつつ、実際にオフェンス力の高い相手に守り勝つような試合もベンチから見ていますから、どんどん吸収していってくれていると思います。当然練習でも、先輩たちとのマッチアップで当たり負けたりすることはありますけど、苦手とは思いつつもがんばって取り組んでいると思います。

試合に出たくてうずうずしているんだろうなとは思います

ー そういう意味では、天皇杯3次Rでの千葉ジェッツ戦後に篠山選手が「うちらしい戦い方ができた」と振り返っていましたが、米須選手にとってはいい試合が見られたのではないでしょうか

そう思います。ああいう戦い方が求められたときに、どういうスタイルでプレーしなければならないのか、それが表現できない限りは試合にはなかなか出られないということもよくわかったのではないでしょうか。もちろん、これまで中高で常に試合に出続けてきたような選手ですから、内心穏やかではないというか、試合に出たくてうずうずしているんだろうなとは思います。その気持ちは大切ですが、まだレベルの差があることもああいう一発勝負の緊張感のある試合をベンチから見て理解していると思います。

ー 先日は初めてのアウェーゲーム帯同(対秋田ノーザンハピネッツ戦)もありました

秋田戦は1勝1敗となりましたが、相手の強度の高いディフェンスに苦戦した試合でした。特にGAME2では、どの選手が出ていっても相手のディフェンスを破れないような時間帯があったので、ああいう場面で「自分ならどうするか、どう突破を試みるか」というのを頭の中でシミュレーションしていたと思います。チーム内競争もあって簡単にベンチ登録とはいきませんが、近くで見ているだけで学べることはたくさんありますので、先輩たちが苦しんでいる姿からも吸収していってもらいたいですね。

練習を見て、課題を伝えてということを繰り返しています

ー コーチ陣とはどのようなコミュニケーションを取っているのでしょうか

通常時は、午前中がチーム練習で午後が個人練習というスケジュールになりますが、アシスタントコーチがしっかりと練習を見て、課題を伝えてということを繰り返していますね。また会見でも少し話しましたが、外国籍選手のうちカルファニ選手とアギラール選手は10代でプロになった選手ですから、彼らとも一緒に練習したり対話したりしていますね。 今日もチーム練習後のシューティングはカルファニ選手とペアでやっていました。

ベンチ登録の機会はあると思っています

ー 答えづらい質問かもしれませんが、2月末までの限られた時間の中で登録、出場という可能性があるかについてはどのように考えていらっしゃいますか?

起用はヘッドコーチが決めることですが、加入が決まった際に「必ずベンチ登録されるチャンスはあるので、いつその時が来てもいいように準備しておきなさい」と話しました。先日の秋田戦の前日にはヘッドコーチからも「今節の登録予定はないが、何が起こるか分からないので、いつでも出場できる準備は怠らないように」と話があったと聞いています。焦る必要は全くありませんし、試合に出られるかどうかは約束できませんが、練習で準備ができていることを示せれば、必ずベンチ登録の機会はあると私も思っています。

ー 3月には進学予定の日本大学に合流するスケジュールになっていると思いますが、その期間中の選手との関わりについてはどのように考えられていますでしょうか?

大学に入ったら、まずはそこの指導者の方々のお話をしっかり聞いて、目の前のことに集中してもらいたいと思います。そんな中で私が定期的に様子を伺ったりする時間を作りたいという考えです。また身体作りにおいても大学と連携し、川崎のコンディションニングチームと情報共有しながら支援できればと考えています。

次世代の川崎の中心を担う選手として

ー 来季も特別指定選手として加入を予定しているのでしょうか

まだ決まっていませんが、責任を持って中長期的に成長を支援したいという方針で、現役の高校生ですが今季から加入してもらっています。叶うのであれば特別指定で一定期間チームに加わってもらうことを毎年繰り返して、次世代の川崎の中心を担う選手として迎えたいと思っています。私自身、こういったアプローチは初めてのことで手探りな部分はありますが、強い意志を持って彼を獲得しましたので、大学の指導者の皆さんとも連携して、いい選手に育てることに力を注ぎたいと思います。

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