Inside BRAVE THUNDERS レポート

【シリーズ:挑戦 Vol.4】ミツトヨ社員「選手の胸元に私たちの会社がある――川崎ブレイブサンダースへの熱い愛とものづくりへの誇り」

ミツトヨ社員の挑戦【新天地/精度/コミュニケーション】

ユニフォームの胸元。東急ドレッセとどろきアリーナのセンターハングビジョン。川崎ブレイブサンダースを応援してくださっている方は必ずどこかで、「Mitutoyo」という文字列を目にしたことがあるはずです。

Mitutoyoこと株式会社ミツトヨは、川崎市高津区に本社を構える精密測定機器の総合メーカー。「ノギス」や「マイクロメータ」などに代表される同社の製品は、ものづくりに携わる人々から絶対的な信頼を獲得し、国内のみならず世界でも高いシェアを獲得しています。

2020年1月よりオフィシャルスポンサー、翌シーズンの2020-21シーズンからはグローバルトップパートナーとしてブレイブサンダースを支えてくれているミツトヨとは一体どんな会社なのか。そしてどんな思いでブレイブサンダースをサポートしてくださっているのかを知るため、同社を代表する『サンダースファミリー』のみなさんにお越しいただきました。

お話をうかがったのは…

プロフィール福田さん (写真左)
1994年入社。製造、メンテナンス、海外勤務を経て現在はアフターサービス部門に所属。ブレイブサンダースの試合はほぼ毎試合『バスケットLIVE』で観戦している。

神山さん (写真右)
2022年入社。自動車業界の製造メーカーから転職し、新製品の研究開発に従事。小中時代はバスケ部員で、現在はブレイブサンダースを中心にさまざまなクラブの試合観戦を楽しんでいる。

眞鍋さん (写真中央)
2025年入社。情報システム部所属。学生時代からバスケットボール観戦が趣味で、現在も月に1~2回はとどろきアリーナで現地観戦を行う。ブレイブサンダースの推しは米須玲音選手。

 

身近な日用品からジェットエンジンまで、「測る」で世界を支える

──まずは、ミツトヨになじみのない方にどのような会社なのかをご紹介いただけますか。

福田:簡単に説明すると、物の寸法を測る道具や機械を作っている会社です。ペットボトルのキャップなどのごく身近なもの、スマートフォンの部品などの小さなもの、自動車部品や航空機ジェットエンジンの羽根などといった大きなものまで、ありとあらゆるものを「測る」道具を作っています。数にすると5000種類以上…いや、正直何種類あるか分からないレベルです(笑)。

神山:ミツトヨでは、髪の毛の太さの約100分の1にあたる1マイクロメートル単位の測定をはじめ、用途に応じてさらに高い精度で測定できる製品も取り扱っています。単純な寸法を測るだけでなく、パソコンなどの基板上にある穴同士の間隔を測定し、図面で指定された寸法どおりに加工されているかを確認する測定機や、「ツルツル」「ザラザラ」といった触感を数値化する「粗さ測定機」なんていうものもあります。

──粗さを測定するとは…!?

福田:測りたいものの表面をレコードプレーヤーの針のようなものでなぞり、その凹凸を測定する仕組みです。例えば、エンジンのピストン表面は、適量の潤滑油を保持できなければスムーズに動きません。そのため、表面の粗さを数値化して管理するために使われています。ほかにも、高級車メーカーでは、ハンドルを握ったときの心地よい触感…つまり粗さを数値化するために活用されていると聞いたことがあります。

──ミツトヨは、元々海外でしか生産のなかった「マイクロメータ」という測定器の初の国産化という挑戦から始まり、現在は国内シェア約90パーセント、海外でも約30パーセントを誇る企業になりました。どのような努力を経てこのような成果が生まれているのでしょうか?

神山:測定値に対する安心感の高さはあると思います。僕は工業を専門にしていた高校時代や前職の自動車関連会社でいろいろな会社の測定器を使っていましたが、ミツトヨのものはダントツで精度が高くて、みんなが「ミツトヨはすごい!」という共通認識を持っていました。実際に入社して、室温がわずか1度違うだけでも測定結果が変わるような世界で、開発担当者の方々が日々試行錯誤を重ねている姿を見て、ミツトヨの製品が高い精度を実現できる理由を実感しました。

福田:弊社の社員は、お客様に安心して製品を使っていただくため、時には「そこまでやるの?」というこだわりがあります。例えば、お客様がお使いのミツトヨ製品でトラブルが発生した際、サービス担当の私としてはできるだけ早く復旧させたいところなんですが、開発部門からは「再発を防ぐために、故障箇所以外も含めて原因を確認したい」という声が上がることがあります。何事も根幹を突き詰めて、問題を完全に潰して…というプロ意識がとても高いと思います。弊社が日本初の国産マイクロメータを作って90年が経ちますが、諸先輩方がものづくりや物を測るということに真面目に取り組んできてくださった土台が積み重なって今があるのではないかと思います。

神山:確かに「これまでミツトヨが築き上げたブランドイメージや精度を裏切ってはいけない」「妥協したらいけない」という思いは強いですね。目に見えないような細かなところまで突き詰めることがしんどいなと感じる時もありますが、同じ業界の友達から「やっぱりミツトヨの製品はいいよね」と言ってもらえた時には、自分たちがこだわっていることがちゃんと世の中のためになっているなと実感できて嬉しいです。

ブレイブサンダースの前身にあたる東芝は言わずと知れたものづくり企業で、スタッフや選手たちはバスケと並行して同社の業務にあたっていました。佐藤賢次GMは当時の経験を生かし、緻密なプランを設計した上でチーム強化を行っています。篠山竜青選手、長谷川技選手、野本建吾選手ら東芝時代を知るベテランも、チームという組織の中で自分の役割をまっとうし、いつでも準備を怠らないことをモットーとしています。

社員の誇りと家族の笑顔を生む、ユニフォームに刻まれたロゴの力

──ちなみに神山さんがミツトヨに転職した理由は何だったんですか?

神山:自分が学生時代から使っていたミツトヨの製品に関わりたいという思いがあったからですが、実は大きな決め手になったのは川崎ブレイブサンダースなんです。僕は生まれも育ちもずっと栃木で、知らない土地で新生活を始めることに少しハードルを感じていたんですが、学生時代に打ち込んでいたバスケのプロチームのメインスポンサーを務めているということで、少しフットワークが軽くなったと言いますか。「バスケと仕事がリンクすることなんてめったにないよな」と思ったので、思い切って決断できたところがあります。栃木に住んでいた時は宇都宮ブレックスのファンでしたが、今はすっかり川崎のファンです(笑)。

眞鍋:実は私もブレイブサンダースがきっかけでミツトヨに新卒入社しました。小中高とバスケ部で、大学時代も週1くらいプレーするくらいバスケが好きで、ニック・ファジーカス選手が在籍していたころにチームのファンになって試合によく行っていたんです。そうしたらある時「胸のスポンサー名が東芝からミツトヨに変わっている」「そういえばとどろきアリーナにも大きくミツトヨのロゴが入っているな」と気づいて。私は文系学部にいて弊社の製品のことはまったく知らなかったんですが、そこから「どういう会社なんだろう」と調べて、自分に合っていると感じたので志望しました。

──我々がミツトヨの人材獲得のお力になれていたとは……光栄です!

眞鍋:同期にもブレイブサンダースファンが何人かいるので、たぶん私のように一つのきっかけにしてミツトヨに入社したんだと思います。

神山:僕は中途入社なので同期はいないんですが、「川崎ブレイブサンダース」という共通言語があるおかげで、同じ部署の人との会話が広がったり、普段話さないような部署、部門の方と話すきっかけができたりしているので助かっています。「実はブレイブサンダースが好きなんだよね」とか「昔バスケをやっていたからブレイブサンダースの試合を見に行ったら、すごく面白かった」みたいな話を聞いたことがあります。

福田:「昨日勝ったね」とかね。

神山:ありますよね。勝ちが続いているときは話が弾みます!

福田:他のスポーツでもそうかもしれないですけど、ブレイブサンダースをきっかけに男女や年齢を問わず話ができるのはすごくいいことですよね。私の場合は子どもに自分の会社を紹介できるようになったのが嬉しくもあります。今までは測定器の説明をしてもチンプンカンプンで「何の仕事してるの?」みたいな感じだったんですけど、ブレイブサンダースの試合に連れて行って「お父さんの働いている会社がスポンサーをやっているんだよ」と言うと「そうなんだ」「すごいね」となる。同僚からも「家族からの株が上がった」という話を聞いたことがありますし、ある同僚のお子さんは「パパはブレイブサンダースで働いている」と思っているらしいです(笑)。

神山:確かに、社外の人にミツトヨを手っ取り早く知ってもらえるのはありがたいですよね。友達に会社のことを説明する時に「物を精密に測れる機器を作っている」と言ってもポカンとされることが多かったんですけど、「川崎ブレイブサンダースのユニフォームの胸に入っている会社だよ」って言うと、「あぁ、あそこね」「オレンジ色の会社ね」って伝わるので。スポンサーになる前までは実験室や研究室、工場でしか見かけなかったミツトヨのロゴが、メディアやアリーナにドカンと掲載されたときはすごくインパクトがありましたし、嬉しかったですね。

眞鍋:ユニフォームを見るたび、「選手の胸元に自分の働いている会社が紹介されてるってすごく嬉しいな」と思っています。観戦に行くとあちこちを見回してミツトヨのロゴを探すのが習慣になりました(笑)。

強い川崎とともに! ミツトヨ社員が寄せる期待とそれぞれの「挑戦」

──パートナー企業の社員として、そしてサンダースファミリーの一員として、これからの川崎ブレイブサンダースに期待することがあればぜひ聞かせて下さい。

福田:やっぱり強いチームになってほしいというのが一番ですかね。プレーオフ進出はもちろんですし、ミツトヨは海外にもたくさん拠点を持っているので、東アジアスーパーリーグなどグローバルな大会でも活躍してもらえたら嬉しいです。

神山:福田さんもおっしゃったように、世界で『ミツトヨ』の名前が入ったユニフォームが躍動する姿を見てみたいというのが1つ。もう1つは、ブレイブサンダースを通して、学生さんや子どもたちにミツトヨのことをさらに知ってもらうきっかけが生まれたら嬉しいです。ミツトヨは長い歴史の中で先輩たちがさまざまな技術を作ってきた会社ですが、それが次の世代にしっかり引き継がれていかないと失われてしまうかもしれない。学生さんたちにそういった技術や歴史を認知してもらえるきっかけになればいいなと思っています。

眞鍋:私もやっぱり強い川崎ブレイブサンダースを見たいです。プレーオフなど高いレベルで戦ってもらえたらより多くの人にミツトヨの名前を知っていただけるし、自分たち社員ももっと嬉しいだろうなと思います。

──今日は我々クラブの人間にとっても嬉しいお話を聞かせていただきありがとうございました。最後に今年のみなさんの「挑戦」を教えてください。

神山:私は「精度」ですね。今までのミツトヨのブランドイメージを裏切らないような製品を作ることを、今年も頑張っていきたいです。

眞鍋:海外の法人とのやり取りもありますし、社内でも色んな方から要望をいただくので、そこでコミュニケーションをしっかり取れるようになりたいです。部内でもまだまだ学ぶことがあるので、そこを吸収していく上でもコミュニケーションは大事にしたいと思っています。

福田:これから仕事の環境が変わる予定なので、若いお二人に負けないようは経験を活かして走り抜けたいですね。


構成:青木美帆

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